pearl(パール)、YAMAHA(ヤマハ)ドラムセットの歴史

201507/12

ドラム

さぁ今回は以前ご紹介したドラムセットをメーカー別でご紹介します。

ドラムセットの歴史

ドラム・セットの歴史は、アメリカのジャズの歴史と重なり合っています。
アメリカ南北戦争で使われた軍楽隊の古楽器が民間に払い下げられて、その古楽器たちを使ったマーチング・バンドが誕生したのが発端です。
マーチング・バンドが酒場などのステージで演奏するまで発展していくうちに、それまでは3～4人で担当していた打楽器を1人の演奏者が器用に叩き始めたのがきっかけで、ドラム・セットというものが誕生したのだそうです。
そこから、様々なドラマーが手を加えながら少しずつ現在のドラムの形に整っていったのではないかと考えられます。

1950年代になると、イギリスやアメリカの若者たちに支持されてロックが世界中に広まっていき、それはもちろん日本にも大きな影響を与えベンチャーズやビートルズに憧れた数多くのバンドが誕生していったのです。

そうなるとドラムの需要も高まり、ムラヤマ、グレイシー、クルーパ、ニッカン、フジ、ケント、ネギ、パール、ヤマハなどのメーカーは、この頃から操業を始めていました。

今回はパール、ヤマハのドラムについて少し書いていきたいと思います！

参考：ドラムチューニングの基礎知識

パール　ドラム

パールは1960年代、世界に先駆けてファイバー・シェルを開発したことで一躍有名になりました。
これは湿度の高い日本の気候条件でも悪い影響を受けない画期的な製品でした。
1970年代に入ると、ファイバー・グラス製のシェルが開発され、耐久性が向上するとともにパワフルで余韻が長い響きを獲得しました。
この頃から、パール・ドラムは世界中のドラマーに使用され始め、高く評価されました。
1980年代には、製品広告を兼ねたドラム情報誌「フィル・イン」が発行され、ドラム・ショップなどで無料配布されました。
そこで紹介されるプロドラマーの練習方法や奏法分析、新製品の紹介などが若きドラマーたちには大好評だったようです。

海外のドラム・ショップでは、パールをはじめとする日本メーカーのドラムは高級品！
アメリカのドラムを見よう見まねで作り始めて半世紀、日本のドラム・メーカーは立派ですね！

参考：ドラムセットの機材紹介ハードウェア編

ヤマハ　ドラム

ヤマハは当初から製品のデザイン、広告があか抜けていたそうです。
1960年代に配布された二つ折りのリーフレットにしても、真っ白な見開きページに大きく載った真っ黒のセットの洗練されたカッコよさはさすが！
1970年代に配布された、タムタムだけが色違いのセットを表紙にしたリーフレットも、モダンな雰囲気でドラマーたちを魅了しました。

初期ヤマハ・ドラムのフロント・ヘッドにプリントされた英字筆記体の社名ロゴもスマートでした。
ヤマハYDシリーズを経て、システム・ドラム・シリーズになったころ、当時フュージョン界の名ドラマーとして人気だったスティーブ・ガットをモニターに獲得し、国内にとどまらず広く世界のドラマーに認められるメーカーに成長していったのですね！

ヤマハはバーチ（カバ材）を用いたシェルを主力商品としていて、硬質で伸びがいいドラムを製作してきました。
細部まで丁寧に作られた品質の良さは世界でも高く評価されています。
近年、他社がタムタムにフローティング・マウント方式というタムを固定せず浮かせて搭載するやり方を採用したのに対して、ヤマハはシェルの特定の位置にホルダーを二点留めし、タムを揺らしながら固定することで同様の効果を得ました。
フープについても、他社の多くは亜鉛ダイキャスト製を採用していたのですが、ヤマハはアルミ・ダイキャストや木製のフープを開発するなど、独自路線を歩んできたのですね！

参考：ドラムセットの機材紹介タムタム編

2013年には、現行のアブソルート・シリーズの国内生産を終え、新たな生産体制をスタートさせています！

リフレクトスタジオでは今回ご紹介したパール、ヤマハのドラム・セットを各部屋に設置しています。
歴史を知ってドラムを触ると、また違った楽しみ方ができるかもしれませんね！
ぜひぜひ当スタジオに叩きにいらしてください！

続いてドラムセットの機材紹介　メーカー別紹介編②