音楽歴史・偉人紹介ビートルズ編⑱

201508/05

音楽歴史・偉人

第十八回ビートルズとは一体何だったのかをご紹介します。

ビートルズの音楽革命

前回のまとめた続きから始めたいと思います。

リズムも似ている、といいましたが、どうでしょう。[Old Joe Clark]は4拍ぜんぶ「頭」を打っていきます。「マイム・マイム」というフォークダンスがありますね。あれと同じ。タン・タン・タン・タンという早い4つ打ちで前へ、前へ押し出していく。それにフィドルは聞こえませんが、ドラムスの叩き方、この軽い「ツンツク・ツンツク」っていうリズム取りが怪しい。私はアメリカのルーツ音楽(古い民衆音楽)を意識していると思いますよ。ロックですからベースは、1小説に8回、「ボンボンボンボンボンボンボンボン」とやっていますけどね。サウンドはモダン。でも「Get　Back」は、特にこの「ネイキッド」に入っているバージョンは、昔の農民もノって踊れたことでしょう。
２曲の比較から入ったのは、今日の記事のポイントが次の2点にあるからです。

①ビートルズの旋律は、学校で習う歌とはしばしば音階が異なる
②その理由は、学校で私たちが、西洋近代の「上等な」歌を習ったのに対し、ビートルズは、「近代」によって見捨てられ、アイルランドの田舎やアメリカの山奥でかろうじて生き延びた種類の音階を使って曲作りをしたからだ。

もちろん話はこれよりずっと複雑です。「近代」に見捨てられたケルト人たちの古い歌は、アメリカ大陸にわたって、アフリカから来た音楽の切れ端と融合するのです。融合しながらまた分離する。分離するのは、人間同士、反発し合っていたからです。音楽がレコードになって売られ、ラジオから流れるようになると、それは商品ですからイメージ作りが重要になります。これは白人向け、これは黒人向けという、しるしが、サウンド的についていくのですね。で、一度は混ざったケルト系と西アフリカ系の音楽(そもそも、そんなに違わなかったんです)が、「ヒルビリー」と「レイス・ミュージック」に分類される音楽に分かれた。前者は後に「カントリー＆ウェスタン」、後者は「リズム＆ブルース」と呼ばれます。
その「C&W」と「R&B」とが、ビル・ヘイリーやプレスリーにおいて、再び合体した時、市場が世界に広がった。これが「R&R(ロックンロール)」革命だ、ということは前回お話ししました。ビートルズは、イギリスでロックンロールをかぶった少年が始めたバンドです。

-学校音楽と黒人音楽-

彼らのレコード・デビュー曲「Love Me Do」(1962)を聴いてください。

ビートルズ「ラブ・ミー・ドゥ」

ハーモニカから入ります。はじめの3音は階名「ドレミ」でいうとなんでしょうか。
「階名」と「音名」の違いについて復習します。「音名」というのは音の絶対的な高さを表す。前回からAとかGとか言っている、これが音名。ピアノの鍵盤で普通に「ドレミファソラシド」を弾いてください。この「調」を「Cメジャー」(ハ長調)といいます。主音Cの音を「ド」とする「ドレミファソラシド」という意味です。
このように学校音楽では、「主音」と長・短の「調」を画定し、そのうえで。相対的な音の並びを「階名」で表記します。
この「学校音楽」の方法を踏襲して、「Love Me Do」を分析していきましょう。
まず問題。これは何調ですか。長調？短調ですか？主音は何でしょう？
最初に鳴るハーモニカの音を鍵盤で確かめると、「F・E・D」(ハ長調のファ・ミ・レ)ですね。ベースも聞こえます。Gで始まっています。では、Gを暫定的に主音として、この歌を「Gメジャー」(ト長調)と解釈して、Gを「ド」に定めます。「F・E・D」のハーモニカの音は「シ♭―ラーソー」となりました。これは「Get Back」などと同じ音の並びになりますね。

回はここまでにしたいと思います！次回はボーカルから徐々に解説していきたいと思います。
リフレクトスタジオで練習したあと、たまにミーティングも兼ねつつ、音楽理論の勉強もしてみてはいかがでしょうか？
きっと幅が広がっていくと思います！
是非お待ちしております！