201508/09

音楽歴史・偉人

音楽歴史・偉人紹介 ビートルズ編⑲

第十九回ビートルズとは一体何だったのかをご紹介します。

ビートルズの音楽革命





前回の続きからまとめていきたいと思います。
続いてはボーカルパートですね。ジョンが低音、ポールが高音のパートを歌います。

Love love me do
ポール:ソ  ソ  シ♭ ド
ジョン:ド  ド  ソ  ファ

これがあと2回続いて

    Ple- e- e- e- / e- e- e- a- / se! ! Love me / doooo.
ポール:ド - -  ― / ― - - -/ ― !
ジョン:ラ - ソ ファ/ラ - - - / ― !  ド  ド /ミ♭ドー

どういう音階なのでしょうか、これは。
1つ腑に落ちないのは、この歌、ジョン音ボーカルの最後の音を「ド」にとったからといって、そこに「ドレミの歌」のような終始感がないこと。というもの、その「ド」、正確には「ミ♭ド」にかぶせて、ハーモニカの「シ♭」が鳴りだすのです。Gが主音じゃないのかもしれない。
間奏のハーモニカが終わった後にジャーンと響くDの音があります。これを「ド」にしたら、もう少しおさまりがよくなるかな?

    Love love me do
ポール:ド  ド  ミ♭ ファ
ジョン:ファ ファ ド シ♭

だめです。これまた「ドレミの歌」に慣れた頭には、ヘンテコすぎますね。



どうしてビートルズは、こんなメロディを作ったのか。答えはある意味、明白です。
中学生のときから、アメリカのロックンローラーを真似ていたから。前回の授業でリトル・リチャードの「Long Tall Sally」を聴きました。
今度は「Lucille」という曲を聴いてください。

リトル・リチャード「ルシール」(1957年4月、全米21位)

ロックンロールはR&Bで、R&Bの基本はブギです。ベースがブギウギの提携を繰り返しています。ボーカルと合わせて表示しましょう。

ラ シ♭
Lu- /cille

主音といのをやめて、基音といってもいいのですが、下で鳴っているベースの出発点の音、このうたの場合Cですが、これを「ド」にします。入りの拍で、「ド」の上に-cilleの「シ♭」が乗っかりますね。この音の幅を7度(セブンス)といいます。「Get Back」の旋律の山も、「Old Joe Clark」の山も、この音程でした。構造を見ましょう。「Lucille」はブギです。ブギは速弾きブルース。ブルースは三部形式です。AA’Bの形を取ります。

A:Lucille, please come back where you belong.
A’:(Oh) Lucille please, come back where you belong.
B:I been good to you, baby, please don’t leave me along.

ちなみに、コード展開も示しておきましょう。
CからFへ「4度」上がり、いったんCへ戻ってから、今度は「5度」上がって、最後にCへ戻る・これが「ブルース進行」と呼ばれるコード展開で、ブルース系、ロック系のポピュラー・ソングの大基本です。

A:C7 C7 C7 C7 (C7=ド ミ ソ シ♭)
A’:F7 F7 C7 C7 (F7=ファ ラ ド ミ♭)
B:G7 F7 C7 C7 (G7=ソ シ レ ファ)

「Lucille」も、「Love me do」も「ドレミじゃない歌」ですが、その「ドレミじゃない歌」にも、なんか音階的な規則がありそうだということが見えてきたようです。

‐うたにも衣装‐



いつも出てくるのが「ミ♭」と「シ♭」なんですね。ドから数えて3つめの音とか、ソか数えて3つ目の音がフラットする。
正確に半音低くなるのでもないようです。「ドレミ」と上がりきらずに3つ目の音が「レ」と「ミ」の間をふらふらする。
同様に「ソラシ」と上がりきらずに「シ」の音が「ラ」と「シ」の間をふらふらする。
これはアメリカの黒人が育んだブルースという音楽様式の特徴なのです。その特徴はジャズにもR&Bにもゴスペルにも、黒人系の音楽全般に引き継がれました。それが、リトル・リチャードのご機嫌なロックンロールを経由してビートルズにも発現した、ということです。
ジョンが、キメの”Love me do”をブルージーに「ド ド ミ♭ ド」と歌うと、その「ド」の音にハーモニカの「シ♭」がかぶさる。(「Lucille」でも「Old joe Clark」にも出てきた「7度」の関係ですね。セブンスのコードを鳴らすと、この和音が響きます。)
ジョンとポールは、レコード・デビューにあたって、黒人のリズム&ブルースに基づいた、シンプルでセクシーに訴える(愛してくれ、プリーズ!)うたを作ったのでした。
むかし自分たちを夢中にしたプレスリーのように。
この間、リフレクトスタジオでもプレスリーの曲を練習しているお客様がいらっしゃいました。
時代と年齢を超えて今でも多くの人に愛されていますね。

さて今回はここまでにしたいと思います!次回はその結果、どうだったのかまとめていきたいと思います!

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