201507/16

音楽歴史・偉人

音楽歴史・偉人紹介 ビートルズ編⑨

第九回ビートルズとは一体何だったのかを紹介します。

世界史で見るビートルズとは



‐故郷の人々、うたの故郷‐



日本だって同じだったのです。音楽をめぐる審理は、かなりのところまで人類共通だといえるようです。
近代の日本には、アメリカと違って、豊かな音楽伝統がありました。田舎の民謡も熟成していたし、都市では歌舞伎小屋が栄え、芸者さんの分化が花開いてました。
しかし開国後しばらくして、欧化主義者が権力を得ます。
「鹿鳴館」って聞いた事がありますか?歴史の教科書に、正装したむかしの日本人が、舞踏会で踊っているイラストが載っていませんでしたか?
「西洋かぶれ」というやつですね。近代というのは総じてそういう時代だったのです。
優秀な生徒はほとんど例外なく文学・思想・音楽・美術にあこがれました。欲望自体に選択の余地がなかったのです。
むずかしい言葉でいうと「文化的覇権」といいます。武力と経済力で圧倒した列強が、世界の民衆の心までとらえていたという事ですね。
日本全国津々浦々、木造の校舎から、西洋の歌か、西洋っぽい歌ばかりが響きました。
子供たちが、巷のはやり歌を歌うと、先生に叱られました。



みなさんが通った小学校の音楽室の壁に、バッハ、ヘンデルから始まって、フォスター、山田耕作に至る作曲家の肖像画が貼ってありませんでしたか?
フォスターより左側にいたのは、ヨーロッパの上流階級に「芸術的な感動」を与えた人たちです。フォスターは、19世紀前半のアメリカに育ちました。
音楽文化という点からすると彼の子供時代のアメリカは、まったくの「後進国」でした。
フォスターが書いたのは唱歌です。「故郷の人々」は日本でも唱歌の定番でした。
この歌、実は前回お話ししたミンストレル・ショーのために書かれたのです。クリスティ・ミンストレルズという初期の人気一座の、フォスターは座付き作曲家でした。
フォスターの初期のヒットに「草競馬」や「オー・スザンナ」があります。軽快で滑稽な曲想が、黒塗り芸人の舞台を盛り上げました。
そして、1851年にみんなに口ずさまれる、アメリカ初の国民的ヒット曲がクリスティ・ミンストレルズのショーから生まれます。これが「故郷の人々」です。
ヒットした理由とは?街の普通の店員さんも簡単に口ずさめる歌であり、それに加えて、上品な雰囲気があったことです。
もともとは舞台で、黒人の老人(もちろん黒塗りの白人が演じていました)が、南部の故郷を回想しながら、黒人訛りのある英語で歌った歌です。
素朴な黒塗りの老人が、南部ののどかな農園を回想して歌うのですから、旋律も素朴な方が味が出ますよね。基本の5音だけで作ると、その雰囲気が出ます。
でもフォスターは素朴ながら上品に仕上げたかった。メロディを階名で書いてみましょう。「スワニー」のところは、「スワ」から「ニー」へ、いっぺんに1オクターブも上がります。

ミー レ ドミ レ|ド ド ラ ドー|ソーミ ド|レー
Way down upon a|Swa-nee Rib-ber|far far a-|way

使われる音は、「ドレミソラ」の5音です。ゆったりとしたテンポで、起伏の大きなメロディですから、情感たっぷりに歌うのに適していますね。
その特徴を山田耕作作曲の「赤とんぼ」と比べてみて下さい。
この曲もやはり起伏が大きいですね。「ソドレミソド」と大股で上がって、「ドラソ」「ラド」と急に下降する。使っている音は、やはりドレミソラの5音です。それで「芸術的な味わい」を出しています。



さて明治時代、日本の子供に西洋の音楽を教育しようという計画がおこったとき、責任者に任命された伊沢修一という人は、アメリカに留学した人ですが、フォスターを入れることにしました。
フォスターの、基本的に5音で書いた「黒人純情歌」が、アメリカの田舎民だけでなく、日本の子供たちにも歌いやすいだろうと判断したからです。
日本のわらべ歌や民謡の多くは、「ドレミソラ」の5音でできています。「あんたがたどこさ」もそうで、「八木節」もそうですね。
西洋の歌のように「ド」では終わりませんが、使う楽音は慣れていますから、明治の日本の子供たちも、フォスターの歌や、スコットランド民謡、アイルランド民謡なら、めげずに歌うことができたのでしょう。
こうして最初に西洋の歌を学んだ世代に滝廉太郎や山田耕作がいました。山田耕作の作曲した「赤とんぼ」を口ずさんでみて下さい」この歌、ゆっくりと、情感たっぷりに歌いますよね。
5線譜を大股で上がったり下がったりします。使われる音はドレミソラだけです。子供にも歌えて、品位が高い。これは「故郷の人々」と同じ特徴です。
明治中期以降日本の唱法は、基本的に禁止でした。欧米列強のプッシャーの影響です。「洋才」が必要だと思われたからです。
西洋の文学書、哲学書を読み、西洋人と同じ音楽教養を身につけること。そうやって「民度」を上げて、世界のなかで日本の地位を上げるころがサバイバルの、国として生きていくための、道でした。
さて今回はここまでにしたいと思います!次回は「近代」という時代をテーマに進めていきたいと思います!
皆さんもリフレクトスタジオで、子供の頃歌っていた歌を、懐かしみながら歌うのはどうでしょうか!とても幸せな気持ちになるかもしれませんね!

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