音楽歴史・偉人紹介ドラマー編

201508/03

音楽歴史・偉人

注目したいドラマーたち

みなさんにとって、憧れの音楽家はいますか？
きっとそれぞれ、誰かに憧れを持って音楽を始めたのではないでしょうか？
今回はドラムについて、ではなく注目したいプレイヤーについて書いていきたいと思います。

【シドニー・カトレット】
1910年に生まれ、フレッチャー・ヘンダーソン楽団に在籍したあと、ルイ・アームストロングやベニー・グッドマン、テディ・ウィルソンなどが率いるスイング系コンボで活躍しました。モダンドラミングへの仲立ちとなる中間派的なドラム奏法で、ケニー・クラークやフィリー・ジョー・ジョーンズらに大きく影響を及ぼしました。ビッグ・シッドの愛称を持ちます。

【ケニー・クラーク】
チャーリー・パーカーとともにビバップ・ジャズを推進したミュージシャンの一人として、ジャズ史に残した功績は大きいです。
先輩格ドラマーのシドニー・カトレットの影響を受け、その上にモダンドラミングを築き上げたのは、ケニー・クラークにほかなりません。
そのドラミングはどっしりと落ち着いた安定感が高い演奏で、共演者たちに心地よいビートを提供しました。
また、チューニングも低く重厚で、どの演奏でも太いサウンドを聴くことができます。
おそらく性格もおっとりとしていたのではないかと言われるほど、ゆったりとしたリズムの取り方で、無駄を極力省いた安定感のあるドラミングは、余裕と貫録を感じます。
彼の演奏は、モダンジャズカルテットの他にも、サボイレコードの多数のアルバムで聴くことができます。中でも「テレフケン・ブルース」や「ボヘミアン・アフターダーク」は彼の代表作です。
ケニー・クラークというと、これまでドラマーの面ばかりが語られていて、トータルな音楽家として一面はあまり紹介されていませんが、若いころに音楽理論をはじめピアノやトロンボーン、バイブラフォンを学び、音楽家としての総合的な下地を築いています。音楽性が高い演奏はそこから生み出されたのかもしれませんね！

【マックス・ローチ】
ケニー・クラークの業績を受け継ぎ、バップ・ドラミングを完成の域にまで高めたのはマックス・ローチの功績でしょう。
今日、バップ・ドラミングとして知られるフレーズの大半は、彼のアイデアによるものと言っても過言ではありません。
マックス・ローチは1924年、ノースカロライナ州に生まれました。早熟なドラマーで、高校卒業の頃にはチャーリー・パーカーと共演するほどの腕前でした。
その後、コールマン・ホーキンス、ディジー・ガレスピー、ベニー・カーターなどの大物ミュージシャンと共演した時も、まだ成人したばかりの20歳という若さでした。
1972年には、ドラマーだけのウン・ブーム・リ・パーカッションというグループを結成しました。どの年代でも、ローチは常にドラミングの可能性の限界に挑む姿勢を持ち続けた稀有なミュージシャンでした。

【フィリー・ジョー・ジョーンズ】
フィリー・ジョー・ジョーンズはマイルス・デイビス・グループに参加し、一躍名声を高めました。そのスタイルにはシドニー・カトレットの影響が見られ、同じカトレットの影響を受けてモダンドラミングを作り上げたケニー・クラークとフィーリング面で通じるものを持ちます。
1923年にペンシルバニア州フィラデルフィアで生まれ、そこからフィリー・ジョーの愛称で親しまれていました。ピアノ教師を母に持つフィリーは、もちろんピアノも弾きます。
来日時にステージで見せたピアノの腕前はかなりのものだったそうです！
フィリーのドラミングの最大の特徴は、その天才的なタイム感にあります。
強烈なドライブ感を伴って叩き出される彼のリズムは、それがなにげない3連符や16分音符でも、信じがたい躍動感を持っています。
そんな彼のフレーズを採譜するのは大変です。強烈なスイング感、絶妙なタイミング、豪放なダイナミクスは譜面ではなかなか表しきれません。
リズムを重視していると、機械のように正確に叩くことに躍起になりがちですが、そんな時に是非聴いていただきたいドラマーです！

ここで紹介したドラマー以外にも、様々なドラマーの様々なプレイスタイルを見て聴いて学んでいけば、きっと自分なりのいいプレイスタイルが見つかるはずですよ！
リフレクトスタジオではエフェクトシンバルや10インチタム、ツインペダルなどのレンタル機材も充実しておりますので、練習に是非お役立て下さい。
今回はここまでにしたいと思います！
最後までお読みいただきありがとうございました。