201508/10

音楽歴史・偉人

音楽歴史・偉人紹介 ビートルズ編⑳

第二十回ビートルズとは一体何だったのかをご紹介します。

ビートルズの音楽革命





前回の続きからまとめていきたいと思います。
ジョンとポールは前回お話ししたように、黒人のリズム&ブルースに基づいた曲を作りました。
で、その結果はどうだったか。そこそこ、でした。期待したほどパッとしなかったと言った方がいいかもしれません。
1962年のイリギスで、ブルースは、一部の進んだ人たちに取り込まれてはいましたが、大衆的にはまだまだだったのです。
レコーディング・マネージャーのジョージ・マーティンは2枚目のシングルに、プロの書いた曲を用意しました。
しかしビートルズは生意気にもこれを拒否。必ずヒットするという曲を書くといって、そして持ってきたのが次のうたです。

「プリーズ プリーズ ミー」
「ザ・ビートルズ・アンソロジー」

彼らは意を決して「ドレミ歌」をやっています。イントロのハーモニカからして


ド シ ラ / ソ ラ ソ ミ / ラ - ソ ― 
Last night I / said these words to / my girl



これなら小学生にも親しめる。でも、だとしたら、この直後にギターが鳴らす音はなんでしょう。
ジョージの指を見てください。ギターのフレットを2つずつ上がっていきます。G-A-Bのコードをスライドしているのです。
これはEの曲ですから、階名でいうと「ミ♭―ファ―ソ」となります。R&Bな音作り。表面は「学校音楽」なのに、陰でブラックな隠し味をもっているというわけです。
他に特徴として「ウラ拍」の強調ということを挙げておきましょう。
シンコペーションといっても同じですけど。ジョンが”come on”というと、ポールとジョージが”come on”と返し、その交叉が4回続きます。このリズムが、気持ちを焚き付けるのですね。アクセントのある「モーン」が拍を食って、半拍がはやくくるのです。その時ビートは、上からではなく、下から上へ突き上げる感じになります。「キック」のように。

♪ / ♩ ♪ ♩ ・ ♪ / ♩ ♪♩
カ / モン カ モーン カ/ モン カ モーン

この部分、メロディは、まったく健康そのものの「ドレミ歌」。
「ソラドドー・ソラレレー・ソラミミー・ドドファファー」と上がっていく。でも、そこに「キック」がついている。
このリズム感は、「ラグタイム」という音楽が流行った百年前から(あるいはそれ以前から)アメリカのブラック・ミュージックの特徴として引き継がれてきたものです。
でも、ビートルズはこれをずいぶん「かわいく」キメていますね。映像で見るリンゴは、「モーン」のところでシンバルを叩きながら首をちょっと傾けて髪の毛をふわりとさせています。なんか機械仕掛けのお人形みたいですね。全然バッドな感じがしません。
プレスリーのもっていた「セクシュアルな黒人性」みたいなものは、アイドル時代のビートルズから一掃されています。
ここまでの話をまとめましょう。
ビートルズはプレスリーやリトル・リチャードがもたらしたR&Bを浴び、アマチュア時代からブラックな音楽性を吸収していた。しかしアイドルとして自分たちを売り出す段階になって、キュートな「ドレミの歌」の衣をかぶった。それからどうなっていったのでしょうか。

‐異種のうたを接合する‐



「A Hard Day’s Night」。アメリカを征服し、イギリスに凱旋してからすぐに作り始めた映画のテーマソングです。この歌には、はっきりした構造上の特徴があります。
それは黒人音楽と学校音楽という、2つの異なった様式を連結させているところです。
まず「一日大変だったぜ、本当に犬みたいに働いた」っていうところ。嘆いていますね。内容がブルースです。コード進行は違いますが、3部形式の12小節というところもブルース。音的にも、黒人音楽風です。

さて、今回はここまでにしたいと思います!次回この続きからまとめていきたいと思います。

皆様はブルース好きですか?
聴いた事ない方は、試しに聴いてみてはどうでしょうか。
ブルースを聴いて、リフレクトスタジオに来てセッションするのも楽しいかもしれませんね!

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